海外の日蓮宗寺院を訪ねて―マレシア・インドネシア―

 先月のことになりますが、マレーシアのペナン島にある「法華山一念寺」にて開山10周年の記念法要が行われ、参列する機会をいただきました。

 東南アジアの中心に位置し、マレー半島とボルネオ島の一部から成り立つマレーシア。日本から飛行機で7時間ほどで首都クアラルンプールに到着します。1年を通じて常夏の気候で、年間の平均気温は26~27度、降水量は比較的多く、5月~9月の雨季にかけてはスコールと呼ばれる激しい雨が降ります。公用語はマレー語ですが、多民族国家のため、中国語やタミル語なども使われ、各民族間での会話には英語が広く利用されています。国教はイスラム教ですが、信仰の自由を認めているため、多民族国家を反映して仏教、ヒンズー教、キリスト教、道教、シーク教を信仰する国民もたくさんいます。

 クアラルンプールから飛行機に乗って1時間。「東洋の真珠」とも称されたペナン島に到着します。一念寺は、ペナン島中心部のジョージタウンに程近いところに位置する4階建てのビルでした。

 法要が始まる頃には、1階の堂内には一念寺の名前が記されたおそろいのポロシャツを着たたくさんの信者さんが集まり、堂内に入れずに外にいる人もいるほどでした。信者さんのほとんどが華僑のためか爆竹が盛大に鳴らされ、一念寺の信者さんによる和讃の後、法要が始まりました。

 信者さんたちは、私たちは読んでいるお経がローマ字で表記されたお経本を熱心に読み、法要に参列していました。法要には、「シンガポール題目寺」、「インドネシア蓮華寺」の信者さんもいらしてました。

 法要の後にはお堂の2階で昼食がふるまわれ、マレーシアの食文化を体験することができました。南国らしく、フルーツもとてもおいしかったです。

 また、隣国インドネシアの世界遺産「ボロブドゥール寺院遺跡群」を訪れる機会にも恵まれました。世界三大仏教遺跡の一つで8世紀頃に作られたといわれる、120m四方、9層の階段状のピラミッド型の遺跡です。72基の仏塔や504体の仏像が並び回廊には1460もの仏教説話に基づいたレリーフが並び、頂上にはひときわ大きな仏塔があり・・・とにかく壮大な遺跡でした。

 今回訪れたペナン島の一念寺は、東南アジアの布教の拠点となるお寺だそうです。東南アジアの皆さんの篤い信仰心に触れることができたこと、またこのような機会にペナン島を訪れることができとても嬉しく思いました。(撫子)

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