ラオス紀行の締めくくりは、「民族衣装」編です。
ラオスのツアーガイドやサイトをご覧になった方はきっとお感じになると思いますが、ラオスの人びとの民族衣装は、とても素敵です。
特に、女性が身に着けている「シン」と呼ばれるスカートは、シルクや綿の天然素材に伝統的な織りが施されており、草木染めの自然な色が風景と調和して何とも言えない美しさです。日本の着物の美しさと通ずるものがあると思います。
また、かつての社会主義政策の頃に、文化を守るために女学生の制服のスカートは必ず民族衣装との決まりがあったそうで、それは民主化した現在でも続いています。このため、小学生の制服も民族衣装のスカートなので、本当に可愛らしいです。これに比べ、男性の民族衣装を見る機会は結婚式のような儀式や伝統舞踊ショーの時くらい・・・ちょっと残念です。でも、考えてみたらどこの国でもそうなる傾向にあるかもしれませんね。
シンの丈には決まりがあり、普段着として履くのはひざより少し長いものを、ちょっとフォーマルな集まりの時にはふくらはぎのあたりまで、結婚式のような礼装ではくるぶし丈、とだんだん長くなっていきます。
ラオスでは、ストレートの黒髪が美しいとされています。結婚式などでは高く結い上げます。髪型は伝統のスタイルを守り続ける一方で、民族衣装は現代的にアレンジされたデザインもたくさん見られます(特に首都ビエンチャンにて)。そのバランス感覚も、ラオスの魅力の一つといえます。
女性たちは、市場にお買い物に行く時でも、シンを身に着けています。いわば巻きスカートなのですが、大きな筒型に縫われたものを、体に巻きつけ、余った端の上部をウエストのところにしまいこめば完成!これならちょっと体のサイズが変わっても心配ありませんし、足を開いても窮屈ではないので、気にせず腰を下ろせます。
私は民族衣装や伝統的なテキスタイルが大好きなので、自分でもシンを持っているのですが、やはり現地の皆さんのようにさらりと身に着けることは上手にできません。そういうときは、お店にお願いすると、ウエストの端の部分と折り返した上端の部分にホックを取り付けてくれます。こうすれば、着崩れる心配もありません。
今回のお便りでは、ラオスで見かけた美しいシン姿の皆さんの写真を掲載しています。
選びきれず、たくさんになってしまいました・・・
ラオス紀行は今回で終了です。有難うございました。(慧香)